高温水質計測システム
TrendChem <トレンドケム>

  • 原子力発電の管理・研究においては、原子炉容器に接続された配管内の水質や金属劣化を把握することが求められています。
  • 温度を下げることなく冷却剤の水質や金属の劣化を計測できれば、より効率的なプロセスを実現することができます。
  • 特徴
  • 高温高圧水中における金属材料の腐食電位ならびに水質のリアルタイム計測
  • 高耐久、長寿命の高温用センサ電極
  • 20年にわたる豊富な納入実績
  • 他のコルメット製品との併用が可能
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TrendChem <トレンドケム>概要

VTT(フィンランド中央技術研究所)は、原子力発電所、研究所、プロセス工場等における20年以上の経験の中で、300℃の水温にも耐えられる長寿命センサ電極の開発に成功しました。

コルメット社で開発されたTrendChem(トレンド・ケム)システムは、これらの高耐久性センサ電極の採用により、高温高圧時の水の化学特性をそのまま計測することができます。その結果、実際のオペレーション下におけるより正確なリサーチが可能となり、水化学分野に全く新しい領域を開きました。

本システムはプロセスの状況に合わせたその場計測データが得られるので、現場での腐食や放射性物質の蓄積をモニターするためだけではなく、パイロットプラントや研究所レベルの実験にも幅広く使用されています。
本体ユニットは、検出部に隣接して設置、パソコンとユニット間は、RS232接続時の場合は最長20m、RS485(オプション)接続の場合は200mまで離せます。

また、本システムならびに電極は、他のコルメット製品との組み合わせも可能ですので、測定セルとコンピュータを共用することによりシステム価格の低減を図れます。

【構成】

TrendChem <トレンドケム>構成

【標準仕様】

◆測定セル
◆電極(ph、参照、伝導度)
◆温度センサ PT100
◆レドックス電位用Pt電極(オプション)
◆腐食電位測定用サンプルローブ(オプション)、腐食電位測定プローブは10本まで追加可能。
◆本体ユニット(伝導度増幅器、ph・レドックス・参照電極用 高インピーダンス10(×12乗)Ω、ガルバニック絶縁アンプ、RS232/RS485トランスミッタ)

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・ソフトウエアは、MS WindowsTM上で動作し、pH、電位、伝導度、温度の各データの取得およびグラフィックモニタリングを行います。
本体ユニットは、デスクトップ・ケースの中にアンプとトランスミッタが装備されています。


【高温用センサ電極】
pHセンサ電極
センサ本体はステンレス製で、高温高圧に耐えられるよう設計されています。検知膜に酸化ジルコニウムを使用することにより、最高温度300℃までのpH測定を実現しました。pH測定には、安定した高温用参照電極も必要になります。

参照電極 
圧力平衡型銀/塩化銀製の筺体内には、電解質として塩化カリウム溶液が入っています。また、内部電解質は、試験溶液中に貫入しないように多孔質セラミック製プラグが使用されています。本電極を使用すると、最高300℃の温度でも長期間(長寿命)、安定した測定を行うことが出来ます。

伝導度センサ電極
電子導電度は、溶液に接した白金電極で測定します。

腐食電位検知センサ
標準の腐食電位検知センサ(φ2mm)は、PTFEにより電気的に絶縁されており、また、コーン・トゥ・コーン接続でフローセルに組み込まれますので高圧にも耐えられます。この検知センサは、お客様の仕様上のご要望に従い、調製することも可能です。

レドックス電位センサ電極
標準レドックス電位センサ電極は、φ0.9mmのワイヤに溶接した白金板によって構成されています。